ジャンル・カプ等ごちゃ混ぜカオス。





デジモン ・ 太ヤマ
 避けていた訳ではないけれど。
 会いたくはなかったのかもしれない。



 人気のない校内。太一は茜色に染まる廊下を、自分の机から取り出して来たばかりの忘れ物を手に急いでいた。迫る下校時間に慌てていた筈、なのに。
 ふと視界に入った人影に、足を止めた。

 誰もいない教室に一人。
 机に俯せているよく見知った姿に、太一は誘われるようにその教室へと足を踏み入れた。


 音を立てないように近付くと、その人物はやはり眠っていた。
 石田ヤマト。太一にとって、あの夏の出来事を共有する仲間であり――親友。

 もう一度ヤマトが眠っていることを確認して、その前の席の椅子の背に手をかけ、そのまま向かい合うように座る。橙の光を受けて輝く金糸の髪。そっと指で梳けば、記憶の中のそれと変わらない感触。
 親友という、とても近しい位置にいた筈の自分達。その筈なのに、こうして傍に寄ったのは酷く久しぶりな気がして、太一は自身を襲う懐かしいという感情に眉を顰めた。
 俯せたヤマトの腕の下敷きになっている、太一には読めない楽譜。それすらも二人を隔てる象徴のように思えて、切り裂いてしまいたくなる。

 中学に入って、クラスも離れて。自分は部活、ヤマトはバンド。それぞれに友達が出来て、違う時間を過ごすことの方が多くなって。
 疎遠という程ではないけれど、それでも確実に共有する時間は減っていった。

 でも、それで良かった。
 そうしていれば、この浮かされるような熱情も消えていくと。この感情に気付く前のような"親友"に戻れると。そう、思っていたから。そうなればいいと、ならなければいけないと思った。
 だが、思っていた以上にこの感情は厄介だった。一度自覚してしまった想いは、沈静化するどころか、深く激しくなる一方だ。離れているのに、離れているからこそ、その姿を求める。

 あいたい、と。

 だから、露骨な行動は取っていなかったが、きっと会いたくはなかったのだろう。会えば、更にこの想いが膨らむ。誰より大切にしたいと思っているヤマト自身を傷付けかねない程に。
 それが、ただただ怖かった。


 どれくらいそうしていたのだろう。静寂を破るように、下校時間を告げるチャイムが鳴り響く。帰らなければ、と腰を浮かせ――眠り続けているヤマトへと視線を向ける。
 躊躇い、それでも放って置くことは出来ず、太一はその手をヤマトの肩へと伸ばして軽く揺すった。

「ヤマト、起きろよ。下校時間だぞ」

 数度呼び掛ければ、未だ覚醒しきらない表情ながらもヤマトが顔を上げた。
 状況を把握しようと彷徨った視線が、太一を捉えて止まる。寝起きの為に焦点が合わない青い瞳に映る自分。

「……おはよ、ヤマト」

あぁ、俺は"親友"の顔で笑えているだろうか。
(君を傷付ける想いなら、そんなものいらないんだ)
いきなり太ヤマ。
最近唐突に旧ジャンルが再燃することが多いんですが、なんでだ。
ネウロ ・ ネウ←弥?
 例えば、ふと触れた手の感じとか。腕を引っ張られたときの力の具合とか。それらはきっと、一つ一つを見れば些細なことでしかないのだろうけど、こんなにも私を落ち着かない気持ちにさせる。
 少しずつ心に沈殿していって、僅かずつ、でも確かに嵩を増していく。

 緩やかに高まる、不安。


「――ぎゃ!?」

 思考に沈んでいた私の頭を、唐突にネウロが掴んだ。
 涙目で見上げれば、何処か不機嫌な笑顔がある。

「何をぼんやりしているのだ、弥子。どうせ下らぬことだろう」

 この状況に不平を述べようとして言葉に詰まる。
 下らないこと、なのだろうか。私は何に不安を感じているんだろう? ネウロが変わること? 何に?

 ――にんげんの、ように?


 また思考に沈み始めた私に興味を失くしたのか、ネウロは軽く溜め息をついて、ぽいと私を放り投げた。その動作は荒っぽいのに、着地した場所は柔らかなソファの上。
 そんなことに、どうしようもなく泣きたくなる。

 涙を見せたくなくて俯いている私に気付いているくせに、素知らぬ顔をしている魔人が。
 嫌いで嫌いで、大嫌いで。


(――   )


 酷くされたい訳じゃないのに、気遣われると不安になるなんて。あぁ、なんて矛盾。
("それ"がいつか"優しさ"と呼べるものにまでなってしまったとしたら、私は)
…ネウヤコ?(一応疑問文)
何だ、矢印未満な関係? 敢えていうなら+? 何だか弥子ちゃんが駄目男に引っ掛かったかのようだ。
Dグレ ・ 師アレ
 無能な神を嗤った。

 崇められ、奉られ、尊ばれる神。全知全能の存在とされる神。だが、その実、その存在自体では何も為す事の出来ない神。
 だから自分達が存在する。イノセンスを与えられた、エクソシストという名の神の手駒。その駒を使い、神は己が望みを叶えるのだ。千年伯爵の敗北という望みを。

 その望みの為に、自分のバカ弟子が重要な駒であることは最初から知っていた。
 その重要さの意味が、『アレン』ではなく『十四番目』にあることも。

 そう、自分は全て知っていた。
 それが神の描いたシナリオに予定された、運命だったのだと。その過酷な運命を課されるのは誰でも良かったのだと。
 全て、知っていたのだ。


 今頃、自分の下へと連れてこられているだろう子供を想う。
 白い髪、華奢な体躯、それらを気に入っていた。常なら疎ましいとしか感じられない、金にうるさいところや口の悪さまで全て。

 今まで真実を告げなかったのは、時機ではなかったからだ。
 だが、本当にそれだけだったのだろうか。知れば、あのバカ弟子がどんな反応をするかなんて分かりきっている。
 あぁ、でも時は止まらない。知らなければならない時が来てしまったのだ。

 だから、せめてこの口で伝えよう。その時、傍にいられるように。一人で泣かせてしまわないように。
 それくらいしか自分には出来ない。師でありながら、たった一人の弟子を絶望させることしか出来ないのだ。


(無能な神を嗤った)

(そして無力な自分を、)
オフィシャルのあまりの師アレっぷりに辛抱出来なくて!(何)
限り無く師←アレに近い師アレだと思ってたら、むしろびっくりするくらい師→アレだったよ…!!
ティエドールを笑えないくらいアレンさんが大事なんですね師匠!(結論)
ネウロ ・ 笹←弥
「笹塚さん、好きです」

 にっこりと、笹塚さんから見て可愛いかどうかは分からないけれど、私に出来る限りの笑顔で今日も告げる。そんな私を見た笹塚さんが、一瞬目を丸くしてから疲れたような溜め息を吐くのも、もう決まりごとのようなもの。そして困ったような声音で窘めるように、弥子ちゃん、と名前を呼んでくれる。
 疲れさせたい訳でも困らせたい訳でもないけれど、これだけは譲れない。名前を呼んでもらえる、という私のささやかな幸せを失いたくないのだ。
 ……それに。

「弥子ちゃん…大人をあんまり揶揄わないように」
「何てこと言うんですか! 私は本気ですよ」

 笹塚さんは、もう言うな、とか、ごめん、とは言わないから。
 だから、この想いが受け入れてもらえなくても、私は笑って言葉を返せるのだ。またこの人に好きだと告げることが出来るのだ。

 困るを通り越して呆れたような溜め息に、私の笑みは深くなる。
 そう、貴方はまだ、私の想いに対して大人としての答えしか返していない。子供の憧れに対する常識的な対応しかしていない。
 なら、まだ分からないでしょ?

 いつか、貴方が私を子供ではなく女として見たとき、貴方が私を好きになってくれるかもしれない。だったら、私はまだまだ貴方を諦めることなんて出来ない。
 だから、その日まで私は何度だって貴方に言うのだ。

「笹塚さん、好きです」
叶わないのは承知の上、せめて少しだけ期待させて
(もう少しだけ、この恋を頑張らせて)
片思いですが失恋フラグではないです多分。

Title by 確かに恋だった

十二国記 ・ 楽陽?
「……私は楽俊に頼ってばかりだなぁ」

 二人の会話の途切れ目に、ぽつりと陽子が呟く。
 内容に反してその言葉には自嘲の響きがなかったので、楽俊は口を開きかけた口を噤む。こちらに背を向けているため陽子の表情を伺うことは出来ないが、その声音はどこか嬉しそうな響きを帯びていた。

「王になるまでもだけど、なってからも。何かある度、楽俊に励まされてばかりだ」

 変わらず明るく告げられる言葉に、楽俊は苦笑するしかない。
 陽子が登極して数年。まだまだ慶は豊かとは言えないが、緑が増えた山野は確実に復興の道を歩んでいることを示している。朝に信頼出来る官吏も増え、彼女もこうやって多少ならば宮を空けることも出来るようになった。

 しかし、そんな彼女を支える輪の中に、楽俊はまだいない。

 彼は未だ雁国で学生の身だ。官吏として実務の面で陽子を助けることは出来ない。励ますことしか出来ず、それだって慶と雁という物理的な距離の所為で満足に出来る訳ではない。
 情報通な延麒のお陰でいくらかは知ることが出来ているが、楽俊に伝わっている以上に陽子は苦悩しているに違いなかった。

「……おいらが陽子にしてやれてることなんて、本当に大したことじゃねぇよ」

 その言葉に陽子がゆっくりと振り返る。
 少し驚いた顔。それは先程の言葉の内容の所為ではなく、常とは違う楽俊の雰囲気の所為だろうか。張り詰めたような空気が場に漂う。

「……もう少し、待っててくれねぇかな」

 静かに、告げる。
 何を、とは言わなかった。それはまだ楽俊にとって言葉に出来るようなものではなかった。

 彼が待っていて欲しいと言うものが、陽子にははっきりとは分からない。それでも僅かな沈黙の後、陽子は頷く。
 待っている、と。

 優しく緩む楽俊の視線を受けて、陽子は微笑った。
だからきみには言わないぼくの中の一番のことば
(いつかのその日まで)
まとまらなくて直し直ししていたら支離滅裂になりました(いつも通り)。

Title by 確かに恋だった