*虎徹さんが酷い人です。というかビッチ気味です。バニーちゃん可哀相。
ついでにうっかりちょっぴり事後な描写ありですすみません。
浅はかだった自分を呪った。
分かっていたじゃないか、こいつがどんな奴かなんて。真面目で、誰より真っ直ぐで。何より純粋に求められていたことなんて分かっていたのに。
なのに、あのときその手を取ってしまった自分は、何処までも狡くて最低な人間なんだ。
「虎徹さん、大丈夫ですか」
気遣う声さえ甘い。そりゃそうだ、俺達は恋人同士で、今は愛を確かめ合った直後だ。空気から何から甘ったるくて当然なんだ。それが当たり前なのに、それに居心地の悪さを感じてしまう俺がおかしいんだ。だが、それは仕方のないことだ。
俺達は恋人同士でお付き合いってものをしている。バーナビーは俺のことを大好きだし、誰より大事にしてくれている。でも、でも俺は。
――――俺は、……こいつのことを好きでもなんでもないんだから。
この関係の始まりは、いつだったか。少し緊張したような表情でバーナビーが、今夜時間ありますか、なんて聞いてきて。言われるままに相手の家についていったら、あなたが好きなんです、と直球な告白。その真剣な空気は、適当に躱すことも誤魔化すことも許さなかった。
そんな必死なまでの好意を向けられるのは久しぶりで、うっかり年甲斐もなく浮かれてしまった。あんなにつんけんしていた生意気な後輩がこんなにも自分のことを想っていたなんて、そんなことを知らされて悪い気がする訳がない。今にも泣き出しそうな表情が可愛いなんて思ってしまって、そう、あのときの自分は浮かれきっていたんだ。
だから、まずいと思いながらもその告白を受け入れてしまった。今までは、遊ぶにしても相手はちゃんと選んでいたのに。自分の引いた線を踏み越えてこようとしない、遊び慣れた奴しか相手にしてこなかったのに。その対極に位置するような想いを抱えた相棒と、流されるままに身体まで重ねてしまった。あまりにバーナビーが嬉しそうな表情をするもんだから、好きだなんて上っ面の言葉さえ繰り返した。
離さない、とでも言うように抱き締められたまま朝を迎えたときでさえ、馬鹿な俺は、まだこの関係を軽く考えていたんだ。どうせすぐ飽きるだろうって。だって、若くて顔も良くて金もあって、しかもこれだけ人気のヒーロー様と、しがない中年のオジサンだ。バーナビーの想いを軽んじるつもりはなかったが、それでもその想いがずっと続くなんて思えるほど俺は若くない。きっと何度か行為を重ねれば満足して終わるだろう。それまで愛されることを楽しむのも悪くない。そんなふざけたことを考えていたんだ。
「虎徹さん? ……かなり無理させたみたいですね、すみません」
ぼんやりしたままの俺を見つめるバーナビーの瞳は、あれから何度も身体を重ねた今も変わらない。優しく熱っぽく、俺が好きだという想いを湛えたままだ。その綺麗な瞳を見る度に、罪悪感で消えてしまいたくなったのはいつからだっただろう。
きっと、最初から分かっていたんだ。バーナビーがそんな軽い気持ちで告白なんてする訳がない。あれはこれ以上なく覚悟を決めて口にした言葉だったんだ。そう簡単に薄れるような想いの筈ないじゃないか。
理解していたのに、それに無意識で気付かなかった振りをして。その理由がなんであれ、バーナビーにこんな関係を始めさせてしまった俺は最低だ。分かってる。
だからせめて、早く終わりにしてやらなきゃならないんだ。
「……なあ、バニー」
「なんですか?」
事後の処理を甲斐甲斐しく済ませたバーナビーは、未だ情事の気怠さを纏ったまま横になっている俺の枕元に座って、俺の髪を優しく撫でている。その手つきが、何より雄弁に俺が愛しいと語っている。
何故か泣きたいような気持ちになっても、もう終わりだ。全て失ってしまっても、全部その原因は自分にあるのだから。
「……もう、さ。………いい加減、終わりにしようぜ」
ひゅ、と小さく息をのむ音が聞こえたが、それきり部屋は静まり返った。卑怯にも枕に顔を埋めたままの俺には、バーナビーがどんな表情をしているかなんて窺い知ることは出来ない。
ああ、ごめん、ごめんな、バニー。こんな最低な奴がパートナーなんて、お前どれだけ運が悪いんだよ。ましてやそいつに惚れちゃうとかさ、勘弁しろよ。ちゃんと幸せになれよ。こんな奴のこと、さっさと忘れてさ。
そんな勝手な言い分ばかりが頭を廻る。本当に、何処まで最低なんだよ、俺は。こんなときまで自分のことばかりじゃないか。バーナビーのことなんか、これっぽっちも考えてないじゃないか。
他の奴らには、近寄る事さえさせなかった細い線。だというのに、気まぐれにその手を引いて、バーナビーをその線の上に立たせた。今はもういない彼女にだけしか許さない線の内側を、見ることは出来ても触れることは出来ないその場所に縛り付けた。そして今、また相手の気持ちなんて無視して、その線の上から突き落とした。
落ちて辿り着く先は絶望だろうか、希望だろうか。そこでこの男が幸せを手にすることは出来るだろうか。どうか、そうであればいい。
そんな狡い想いは胸に秘めて、俺の髪に触れたまま止まっていたバーナビーの温かい手を静かに振り払った。
ぱしり、そんな音が一際大きく響く。……別れの、音だった。
ついでにうっかりちょっぴり事後な描写ありですすみません。
浅はかだった自分を呪った。
分かっていたじゃないか、こいつがどんな奴かなんて。真面目で、誰より真っ直ぐで。何より純粋に求められていたことなんて分かっていたのに。
なのに、あのときその手を取ってしまった自分は、何処までも狡くて最低な人間なんだ。
境界線上で別れを告げる
は、と短く息を吐き出す。バーナビーの顎を伝った汗が一滴、自分の胸に落ちる感触に、達したばかりで未だ敏感な身体はふるりと震えた。そんな俺の反応に満足そうに微笑んだ相棒は、今まで俺の中に埋めていたものをゆっくりと抜いた。それにまた小さく呻くと、汗で湿った前髪を掻き上げられて、覗いた額に唇を落とされる。そこから伝わる熱がじわりと自分の中に沁みこんで、荒い呼吸とは別の理由で胸が痛んだ。「虎徹さん、大丈夫ですか」
気遣う声さえ甘い。そりゃそうだ、俺達は恋人同士で、今は愛を確かめ合った直後だ。空気から何から甘ったるくて当然なんだ。それが当たり前なのに、それに居心地の悪さを感じてしまう俺がおかしいんだ。だが、それは仕方のないことだ。
俺達は恋人同士でお付き合いってものをしている。バーナビーは俺のことを大好きだし、誰より大事にしてくれている。でも、でも俺は。
――――俺は、……こいつのことを好きでもなんでもないんだから。
この関係の始まりは、いつだったか。少し緊張したような表情でバーナビーが、今夜時間ありますか、なんて聞いてきて。言われるままに相手の家についていったら、あなたが好きなんです、と直球な告白。その真剣な空気は、適当に躱すことも誤魔化すことも許さなかった。
そんな必死なまでの好意を向けられるのは久しぶりで、うっかり年甲斐もなく浮かれてしまった。あんなにつんけんしていた生意気な後輩がこんなにも自分のことを想っていたなんて、そんなことを知らされて悪い気がする訳がない。今にも泣き出しそうな表情が可愛いなんて思ってしまって、そう、あのときの自分は浮かれきっていたんだ。
だから、まずいと思いながらもその告白を受け入れてしまった。今までは、遊ぶにしても相手はちゃんと選んでいたのに。自分の引いた線を踏み越えてこようとしない、遊び慣れた奴しか相手にしてこなかったのに。その対極に位置するような想いを抱えた相棒と、流されるままに身体まで重ねてしまった。あまりにバーナビーが嬉しそうな表情をするもんだから、好きだなんて上っ面の言葉さえ繰り返した。
離さない、とでも言うように抱き締められたまま朝を迎えたときでさえ、馬鹿な俺は、まだこの関係を軽く考えていたんだ。どうせすぐ飽きるだろうって。だって、若くて顔も良くて金もあって、しかもこれだけ人気のヒーロー様と、しがない中年のオジサンだ。バーナビーの想いを軽んじるつもりはなかったが、それでもその想いがずっと続くなんて思えるほど俺は若くない。きっと何度か行為を重ねれば満足して終わるだろう。それまで愛されることを楽しむのも悪くない。そんなふざけたことを考えていたんだ。
「虎徹さん? ……かなり無理させたみたいですね、すみません」
ぼんやりしたままの俺を見つめるバーナビーの瞳は、あれから何度も身体を重ねた今も変わらない。優しく熱っぽく、俺が好きだという想いを湛えたままだ。その綺麗な瞳を見る度に、罪悪感で消えてしまいたくなったのはいつからだっただろう。
きっと、最初から分かっていたんだ。バーナビーがそんな軽い気持ちで告白なんてする訳がない。あれはこれ以上なく覚悟を決めて口にした言葉だったんだ。そう簡単に薄れるような想いの筈ないじゃないか。
理解していたのに、それに無意識で気付かなかった振りをして。その理由がなんであれ、バーナビーにこんな関係を始めさせてしまった俺は最低だ。分かってる。
だからせめて、早く終わりにしてやらなきゃならないんだ。
「……なあ、バニー」
「なんですか?」
事後の処理を甲斐甲斐しく済ませたバーナビーは、未だ情事の気怠さを纏ったまま横になっている俺の枕元に座って、俺の髪を優しく撫でている。その手つきが、何より雄弁に俺が愛しいと語っている。
何故か泣きたいような気持ちになっても、もう終わりだ。全て失ってしまっても、全部その原因は自分にあるのだから。
「……もう、さ。………いい加減、終わりにしようぜ」
ひゅ、と小さく息をのむ音が聞こえたが、それきり部屋は静まり返った。卑怯にも枕に顔を埋めたままの俺には、バーナビーがどんな表情をしているかなんて窺い知ることは出来ない。
ああ、ごめん、ごめんな、バニー。こんな最低な奴がパートナーなんて、お前どれだけ運が悪いんだよ。ましてやそいつに惚れちゃうとかさ、勘弁しろよ。ちゃんと幸せになれよ。こんな奴のこと、さっさと忘れてさ。
そんな勝手な言い分ばかりが頭を廻る。本当に、何処まで最低なんだよ、俺は。こんなときまで自分のことばかりじゃないか。バーナビーのことなんか、これっぽっちも考えてないじゃないか。
他の奴らには、近寄る事さえさせなかった細い線。だというのに、気まぐれにその手を引いて、バーナビーをその線の上に立たせた。今はもういない彼女にだけしか許さない線の内側を、見ることは出来ても触れることは出来ないその場所に縛り付けた。そして今、また相手の気持ちなんて無視して、その線の上から突き落とした。
落ちて辿り着く先は絶望だろうか、希望だろうか。そこでこの男が幸せを手にすることは出来るだろうか。どうか、そうであればいい。
そんな狡い想いは胸に秘めて、俺の髪に触れたまま止まっていたバーナビーの温かい手を静かに振り払った。
ぱしり、そんな音が一際大きく響く。……別れの、音だった。
バニーちゃんを幸せにしてあげたい周期のくせにビッチな虎徹さんを受信した結果がこれですぎゃふん。微妙に虎徹さんとくっつく可能性を残したら大してビッチでもなくなったとか!
すみません色々間違ってるけど、コテビッチは発信元のオトモダチに捧げます。頑張ったよ!
すみません色々間違ってるけど、コテビッチは発信元のオトモダチに捧げます。頑張ったよ!