好きだよ。
 きっと、とても、 ――― すごく。
きみとぼく
「旦那ー? 竜の旦那ー?」

 背を向けたままの姿。
 こちらを振り返りなんかしない。

「ちょっとー、聞こえてんでしょ、旦那」

 それでも呼び掛ける度に微かに揺れるその細い肩に、思わず笑みが零れる。
 すると、笑った気配を察知したのか、何度呼んでも振り返らなかった彼が、こちらに向き直った。

「……なに笑ってやがる」
「いんやー、別に?」

 やっと見れた顔も、最後に見たものと同じ、眉間に深く皺を刻んだ不機嫌そうな表情。それすら様になる彼は、本当に整った顔立ちをしていると思う。
 だから、その表情だって嫌いじゃないのだけど。いや、多分彼ならどんな表情だって自分は良いのだけど。

「そろそろさ、機嫌直してよ」

 早々逢える訳ではないのだ。なら、出来るだけ嬉しそうな表情が見たい。
 そう思って宥めるように笑顔で言うが。

「Ha!誰の所為だと思ってる」

 にべもない。
 いやまぁ、俺だって多少調子に乗っちゃったかなー、とは思ってます。反省してます。はい。
 でも、アレは仕方なかったっていうか。……俺だけの所為じゃ、ないよね。

「えー? 分かんないな。何のこと?」
「……てめぇ」

 明らかに分かっていてしらを切る俺を、じろりと睨み付ける。
 ずい、と膝で近寄ってきたと思ったら、そのまま力任せに胸元を掴まれ。

「さっきのは何のつもりだったんだって言ってんだ!!」

 その怒声にあぁ、なんてわざとらしく相づちを打ち。
 自分でも性格悪いな、と思うような笑みを浮かべて。


「…真田の旦那と、イチャついてたこと?」


 その発言に、一瞬だけ瞳に傷付いたような色を過ぎらせる様を見て。
 やり過ぎたな、と内心舌打った。

 そっとその細い身体を抱き寄せ、耳元で謝罪の言葉を囁く。
 意外にも抵抗はなく、ただ俺の服を握り締める仕草に、思っていた以上に不安にさせてしまったのだと思い知らされる。

「ごめん、…好きだよ、政宗」

 傷付けるつもりなんかなかった。不安にさせるつもりなんかなかった。
 ただ、普段見事なまでに泰然としている彼が、俺が旦那に構う度に不機嫌になっていくのが嬉しくて。
 ただ、それだけだったのだ。

 ごめん、ともう一度呟くと、何も言わず抱き返してくる、その存在が。
 他の何よりも、愛しく思えた。





痴 話 喧 嘩 ! !(何)
篠原の中では一方通行がデフォですが、これは多分出来上がってるふたり。
オトモダチとのトレード(ぇ)用に作成したもの。タイトルに後付け感漂う一品(えぇ)。
「佐政で」と言われていたので、政宗様受!政宗様受!と暗示かけてたら政宗様が意地っ張りヲトメに・・・・!!(痛)
で、でも、佐←政の間は意地で泰然としててもくっついた途端年上の余裕な佐助に振り回される政宗様とかにも萌えるんですすみません。