もう、どれくらい会っていないのだろう。
忙しない政務の合間、ふとそんなことを思う頃に、いつもあいつは現れる。
もしかして自分は監視されていて、様子を見計らって出てきてるだけじゃ、なんてことを考えたりもするが、そこまであいつも暇じゃないだろう、と結論付ける。忍としての仕事だけでなく、真田の世話を始めとした家事全般までこなすあの忍に、そんな時間があるとは思えない。
じゃあ、俺とあいつの周期が一緒、ってことか。
相手に会いたくて我慢できなくなる周期が。
それはただの想像に過ぎなかったが、酷く愉快な気持ちになるものだった。
思わず笑みを零す自分に、小十郎が咎めるような視線を送る。知らず手が止まっていたことを素直に詫びて執務を再開するが、思考は止まらない。
自分が会いたいと思ったということは、もしかして今頃あいつもそんなこと思っているんだろうか。今度会いに来たときにでも訊いてやろうか。
そうしたら、いつも飄々としているあの忍はどんな反応を見せてくれるだろうか。驚くだろうか、笑うだろうか、あぁ、照れたりしたら面白いのにな。
「政宗様」
怒りのためか、常よりも更に低い声で名を呼ばれる。どうやらまた手が止まっていたらしい。冷たいどころか刺すような視線を受けて、思わず両手を挙げる。
溜息と共に視線が和らぎ、こちらも息をつく。これ以上怒らせるのは得策じゃねぇな、と胸中で呟き、今度こそ再開するために筆を手に取る。
なぁ、さっさと来いよ。お前に訊きたいことが出来たんだ。
互いに触れて、その体温を感じて、笑い合いながら話そうじゃねぇか。
なぁ、早く、早く。
(お前の熱が足りねぇんだ)
忙しない政務の合間、ふとそんなことを思う頃に、いつもあいつは現れる。
もしかして自分は監視されていて、様子を見計らって出てきてるだけじゃ、なんてことを考えたりもするが、そこまであいつも暇じゃないだろう、と結論付ける。忍としての仕事だけでなく、真田の世話を始めとした家事全般までこなすあの忍に、そんな時間があるとは思えない。
じゃあ、俺とあいつの周期が一緒、ってことか。
相手に会いたくて我慢できなくなる周期が。
それはただの想像に過ぎなかったが、酷く愉快な気持ちになるものだった。
思わず笑みを零す自分に、小十郎が咎めるような視線を送る。知らず手が止まっていたことを素直に詫びて執務を再開するが、思考は止まらない。
自分が会いたいと思ったということは、もしかして今頃あいつもそんなこと思っているんだろうか。今度会いに来たときにでも訊いてやろうか。
そうしたら、いつも飄々としているあの忍はどんな反応を見せてくれるだろうか。驚くだろうか、笑うだろうか、あぁ、照れたりしたら面白いのにな。
「政宗様」
怒りのためか、常よりも更に低い声で名を呼ばれる。どうやらまた手が止まっていたらしい。冷たいどころか刺すような視線を受けて、思わず両手を挙げる。
溜息と共に視線が和らぎ、こちらも息をつく。これ以上怒らせるのは得策じゃねぇな、と胸中で呟き、今度こそ再開するために筆を手に取る。
なぁ、さっさと来いよ。お前に訊きたいことが出来たんだ。
互いに触れて、その体温を感じて、笑い合いながら話そうじゃねぇか。
なぁ、早く、早く。
(お前の熱が足りねぇんだ)
03. 君の熱が足りない
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