佐助の身体は、傷だらけだ。
 古いものもあれば、まだ塞がったばかりのものもある。腕も、足も、背も、傷跡がない場所などない。それは、佐助が忍としての厳しい修練を積んできた証拠であり、如何に危険な仕事をこなしているかを示し。

 何より、主である自分をそれだけ守ってきたという証なのだ。

 その傷の数だけ、守られてきた。守られる度に、その身体に傷が増えていった。
 それを泣きそうな顔で見る度に、佐助は言う。


 こんなの、何でもないから気にしないで。
 あんたが無事だったなら、それでいいんだよ。
 これは勲章だよ、旦那を守れた、っていう、ね。


 そんなことを、笑って言う。

 死んで欲しくない、いなくなって欲しくない、ずっと傍にいてほしい。
 だから、そんなことしなくていいと、そんなにしてまで守らなくていいと思うのに。

 そうやって、満足そうに笑ってくれるから。
 だから、また何も言えずに言葉を飲み込んだ。





(その優しさは何より痛いのに、確かに嬉しいんだ)


01. …少しばかり、優しすぎる