その細い腕で、華奢な身体で。己の持つ全てを用いて、元就は必死に守っている。
 例えば、その国。国に住む民。毛利という家。その細い肩にかけられた全ての責を一人で背負い、倒れることも揺らぐこともなく立ち続けている。


"我を理解出来るのは、この世に我一人で良い"


 何でもないように、平然と紡がれる言葉。
 そんな訳ねぇだろ、本気でそう思ってる訳じゃないだろ。ただ責任感が強過ぎて、他人に頼むことが苦手で。ただ、それだけの癖によ。

 責任と、接し方の分からないが故の戸惑いと。責任からの自戒とが相まって、そうなっちまっただけだろ。ただ自分の責任を果たそうと、そればっかりで生きてきた結果だ。
 本当の、本当は。


 いや、きっとこんなことは考えても無駄なことなんだろう。
 今更元就が態度を変えられるほど器用には思えねぇし。周りも驚いちまうだろうしな。

 ただ、それでも。
 一人でも頑張って守り続けてるお前に。
 お前に守られている、すべてのものの代わりに伝えよう。

"お疲れ様"と"ありがとう"を。





(お前の優しさも頑張りも、俺はちゃんと知ってる)


04. お疲れ様、ありがとう