心地よい疲労を抱えたまま、幸村はどさりと布団の上に横になる。今日も十分に鍛錬を行ったし、佐助にせっつかれながらとはいえ、上田城主としての仕事もきちんと済ませた。
充実感に満たされながら眠りにつける夜は幸せだと幸村は思う。今夜は正にそんな気分だったし、目蓋も重い。今すぐにでも眠りに落ちてしまいたいが、まだだ。
本当にいい気分で眠りにつくには、疲労感と充実感では足りない。もう一つ、必要なものがある。
「ちょっと、そのまま寝ないで下さいよってば! いくつになるまで俺様に同じこと言わせるつもりなのアンタは!!」
やっと、きた。
夢うつつながら、待ち望んだ声を耳にしてぐるりと首を向ける。そこに己の大切な忍の姿を認めて幸村は微笑むが、それに返ってきたのは溜め息が一つ。
こちらはずっと来るのを待っていたというのに、当の佐助はそんなこと知りもせずに文句を口にする。説教でないだけましか、と佐助に促されるまま布団の中に潜り込めば、心地良い温かさに包まれた。
(……ねむい……)
今にも寝そうになりながらも、佐助が離れようとした気配を敏感に感じ取ると、逃がすまいと幸村は手を伸ばす。触れた布地を掴めば、それはちゃんと佐助の衣服だったらしく、もう一つ溜め息が零された。
「……全く…本当、いくつになったのよ旦那……」
そうぼやきながらも、佐助は掴んだ手を剥がそうとはしない。そのことが何より幸村を安心させる。
しばらくそのままでいれば、その大きな手のひらで優しく髪を梳いてくる。するする指が流れていく、それだけなのにこんなにも幸せな気持ちになれるのは何故なのだろう。
(決まっている、それが佐助だからだ)
心地よい疲労感と、やるべきことをやりとげた充足感。そして大切な人が側にいてくれる安堵感。此処には全てが揃っている。
指先から伝わる佐助の体温を感じながら幸村は小さく微笑むと、優しい闇の中で意識を手放した。
(夢の中でも、あいたい)
充実感に満たされながら眠りにつける夜は幸せだと幸村は思う。今夜は正にそんな気分だったし、目蓋も重い。今すぐにでも眠りに落ちてしまいたいが、まだだ。
本当にいい気分で眠りにつくには、疲労感と充実感では足りない。もう一つ、必要なものがある。
「ちょっと、そのまま寝ないで下さいよってば! いくつになるまで俺様に同じこと言わせるつもりなのアンタは!!」
やっと、きた。
夢うつつながら、待ち望んだ声を耳にしてぐるりと首を向ける。そこに己の大切な忍の姿を認めて幸村は微笑むが、それに返ってきたのは溜め息が一つ。
こちらはずっと来るのを待っていたというのに、当の佐助はそんなこと知りもせずに文句を口にする。説教でないだけましか、と佐助に促されるまま布団の中に潜り込めば、心地良い温かさに包まれた。
(……ねむい……)
今にも寝そうになりながらも、佐助が離れようとした気配を敏感に感じ取ると、逃がすまいと幸村は手を伸ばす。触れた布地を掴めば、それはちゃんと佐助の衣服だったらしく、もう一つ溜め息が零された。
「……全く…本当、いくつになったのよ旦那……」
そうぼやきながらも、佐助は掴んだ手を剥がそうとはしない。そのことが何より幸村を安心させる。
しばらくそのままでいれば、その大きな手のひらで優しく髪を梳いてくる。するする指が流れていく、それだけなのにこんなにも幸せな気持ちになれるのは何故なのだろう。
(決まっている、それが佐助だからだ)
心地よい疲労感と、やるべきことをやりとげた充足感。そして大切な人が側にいてくれる安堵感。此処には全てが揃っている。
指先から伝わる佐助の体温を感じながら幸村は小さく微笑むと、優しい闇の中で意識を手放した。
(夢の中でも、あいたい)
05. いい夢をみるために
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