ロイエド
「私を、好きになって欲しいんだよ」


 そう言った大佐の表情は、雨に濡れ、雷雲に閉ざされた空の下では窺いようもない。
 それでも。

 縋るように抱き締めてきた、震える腕と。
 雨音に掻き消されそうに小さな声が。

 「愛して」と言っているのに。
 何故か、オレには「助けて」と聞こえた気がして。

 だけど、この人が抱えているものは余りに深すぎて。オレには何も出来ないことを知っているから。

 せめて。
 せめて、その身体がこれ以上冷えることがないようにと、ただ、力一杯抱き返す。
篠原の脳内で展開してた話の途中のシーンです。だからきっと篠原にしか分からないです(不親切)。
ただ単に、弱さが零れてしまった大佐とそれを受け止めきれないエドがやりたかったのです。
ロイエド
 逢えないと、逢いたくなる。


 目が覚めて。最初に想うのは君の顔。
 どれだけ逢ってないかなんて、考え出すと落ち込むから考えないけれど。考えなくても落ち込むくらいの期間は逢ってない訳で。

「逢いたいなぁ……」

 この呟きが彼に届く訳もない。


 幻といわれる賢者の石を探している以上、一箇所にじっとしている訳にはいかない。
 そして、自由に生きている君に惹かれたのも事実。

 夢の中で逢った君は、とても元気に笑っていたから。
 現実の君も、きっと笑っているんだろう。


 気持ちを切り替えて。ぐっと身体を伸ばして。シャワーを浴びて着替えよう。
 君が急に現れたとき、仕事なんかに追われることなく君と共に過ごせるように。
でも書類の山を見ると、大佐のやる気は萎えます(駄目だろ)。
最近暗いのばっか書いてるんで、たまには甘めのを。
ロイエド
 逢いたいけど、逢えない。


 目が覚めて、あいつの声を思い出す。
 その声で名前を呼んで欲しくて。抱き締めて欲しくて。


 だけど。いつも書類に囲まれていて、忙しいことも知っているから。
 なのに、逢いに行けば無理にでも時間を作ろうとするのも知っているから。

 「逢いたい」って言葉が負担になるかも、なんて。
 考えて考えて、言えなくなる。


 でも、まだ、行っておいで、と。そう送り出してくれた声を思い出せるから。
 だから、まだ頑張れそうな気になる。

「うぁーー……っ…」

 今日もいい天気だ。張り切っていこう。
前のと対になってるような感じで。
色々考えて動けない子供と、待ってるしか出来ない大人。
ロイ←エド?
 今日が最後、っていつも言い聞かせてるんだ。


 オレが幸せになんかなれない。
 アルが、アルがいるのに。アルの体を、幸せを奪ったのはオレなのに。そのアルが傍にいるっていうのに。
 どうして、幸せを受け入れられるだろう。

 そんなことを言ったらアルはきっと怒るだろうし、この人だって悲しむのだろうけど。
 でも、そうだろう?


 だから、いつもこれで最後にしよう、って思っているんだ。
 この人といると、癒されてしまうから。許されてしまうから。

 だから、今日が最後。そう、言い聞かせる。


 でも、この暖かい手を離したくない自分もいて。この場所で甘えてしまいたい自分もいて。
 だから、この場所へは一人で来る。

「大佐」

 心の中で何度も呟く。「今日が最後」と。
 それが、今日も無駄な努力に終わるのを知りながら。
エドさん片恋。アルに遠慮して何も言えない、けれど傍にいたい。
そしてアルにバレて殴られるのです(ぇ)。
ロイエド
 逃がさないよ?


 バタバタと足音を立てて司令部の廊下を走り抜ける。
 今日、本当にあの副官が休みで良かった。こんなところを見つかったら、間違いなく発砲されて強制的に足を止められるだろうから。

 「廊下を走ってはいけません」と、幼い頃に教えられたことを思い出す。確かに、建物内で走ったりするのは行儀が悪いし、安全面でも良くないが。
 走らなきゃならない時だって、ある。

「待ちたまえ、鋼の!!!」
「誰が待つか!!!!」

 久しぶりに会って、まだ20分しか経ってないんだよ?

「ならば、意地でも捕まえてやる!!」
「へっ、やってみやがれ!!!!」

 これでさよならは、さすがに辛いから。
 絶対、逃がしてなんかやらない。
おっかけっこ。何でこうなったかは不明(おい)。