幼馴染3人 注射話
 目の前には見知った、幼馴染の父親である医者。
 そしてその手には。

 病気を予防するという名目のため、これから自分の腕に刺そうという注射針。


「嫌だー!!!!!!!」
「馬鹿言ってないで、さっさと済ませちゃいなよ兄さん」

 叫んで逃げ出そうとしたところを、がし、とアルフォンスに捕獲される。
 目線のみで逃がせ、と訴えると、呆れきった溜息で応えられた。

「ほら、もう『兄さん』なんだから。僕だって騒がなかったようなもので騒がないでよ」
「お前がおかしいんだ!!! あんなもの刺すんだぞ!!??」
「別に死んだりしないって」

 この場に残っている子供で、まだ注射をうけていないのはエドワードただ一人。このまま長引かせては迷惑になるだろうと思い兄を説得するが、兄は意固地に『嫌だ』と繰り返すばかり。溜息をつく以外、アルフォンスには出来ることはなかった。

「ちょっともーエド!! いい加減にしなさいよ!!!」

 アルフォンスが困っているのを見かねて、ウィンリィが声をあげる。

「あたしだって泣かなかったのよ!! なのに何で男のあんたがその様なのよ!!!!」

 ウィンリィのその言葉にエドワードはぴく、と反応し。迷って。迷って。迷って。
 迷った挙句、やっとその腕を差し出した。

 それでいいのよ、と満足そうなウィンリィの隣には。
 恐怖のあまり、力の限り腕をエドワードに掴まれたアルフォンスの引き攣った笑顔があった。
幼馴染子供話。
別にエドウィンな訳ではなく、力関係がエド<アル<ウィンリィなだけです。
ロイ←エド
 どうせ、気にも掛けないくせに。


 不機嫌なまま電話に出たオレを咎めることもなく、大佐は軽い笑い声だけで本題を切り出した。
 そのことが、気に障る。咎められなくて不機嫌、だなんて変な話だけど。大佐の話に相槌を打ちながら、オレの機嫌は急降下していった。

『 ――― だが、……聞いているのか』

 はっとして慌てて応える。
 あまり聞いてはいなかったが、いつもの報告書催促だ。いつもと大した差のある言葉じゃなかっただろう。

 早く切ろう。

 適当なところで話を打ち切って別れを告げようとして止められる。
 まだ何かあるのかと言葉を待てば。

「……元気なのか」

 思ってもなかった言葉に、一瞬何も答えられなくて。

「…オレ、もアルも……元気だよ」

 それだけ告げて、電話を切った。


 オレのことなんか、気にも掛けてないくせに。オレのことなんか、明日にはもう忘れてるくせに。
 なのに、その一言が温かくて。

 今にも零れ落ちそうな涙を必死にこらえてたことを、あんたはきっと知らない。
最近バンプばかり聴いてまして。
ロイ→エド
 それでも良い、と、微笑うその顔が切なくて。


 一体何処から見つけてきたのか、裏庭でサボっていた私の許にやってきた鋼のは、手のひらサイズのゴムボールを持っていた。どうするつもりなのか図りかねていたら、思い切り私めがけて投げつけてきた。急だった割に、それはぱしん、と音を立てて綺麗に私の手に収まって。

 取れないと思った、と君は驚いて。

 そして何となくお互い素手でキャッチボールを始めた。
 投げて。受け取られて。投げられて。受け取って。その繰り返し。

 不意に君が何か思いついたような顔になって。
 私からかなり離れた地点へとそのボールを放った。

 慌ててボールを目で追って後退する。
 何とか受け取って、何処を狙っているんだと文句を言えば、何処か、何かを堪えるような表情で。

 取れなくても良いんだ、と。

 そう微笑って。

 その笑顔がとても、締め付けられるようで。
 そんな表情をして欲しくない、とそう思った。
バンプー。オトモダチが犬猿だと言っていたような記憶がある曲(微妙)。
甘いのを目指すだけ目指したロイエド
 たまには、ちょっと休憩。


 いくら待っても部屋に戻ってこなくって。うとうとし出したことまでは覚えてる。それで何で。今大佐がオレに寄りかかって寝てるんだ。
 どかしてこの状況から脱出しようにも、しっかりと手を回されていて動けない。しかも、これだけじたばたしているにも関わらず、全く起きる気配がない。

「……ん…」

 漏れた声に、やっと起きるか、と顔を見れば、その目蓋は閉じられたままで。
 ただの寝言か、と溜息をつく。

 自分はこの男の所為で動けなくて。今日は心地いい気温で。
 だから。

「……寝言言うなら、オレの名前にしろよ」

 そう呟いて。オレは再び目を閉じた。
甘いのリハビリ(何してん)。
ロイエド+ハボック
 悔しいくらいに。


「最初はグー!! じゃんけんぽん!!!!!」


 そんな軍の組織に不似合いな声が、響く。
 しかも、その一瞬後に続いた悲鳴は、子供特有の高い声だった。


「ははは、ここまでくるとむしろ凄いな大将」
「うるせぇっ!!!!! 何で、何でこんな運試しでさえ……っ!!!!!」

 悔しさでふるふると震える拳を、更にきつく握り締める。

「……勝てないのか、と?」

 敢えて言わずにいた言葉を、負かした張本人に言われる。

 そう、今はあまり忙しくないというから、様々なことで大佐に勝負を挑んでみたのだけれど。
 その結果は、ハボック少尉の言うとおり、いっそ清々しいほどに全敗。

悔しい、悔しい、悔しい!!!!!

 もう勝てそうなものが思いつかなくて、また悔しくて。悔し涙まで出てきそうになって、それを隠したくても大佐に引っ付くのはどうしても嫌で。
 だから、少尉に抱きついてみる。

がば。

「――― っ…は……はがっ…」

 声だけでも、大佐が真っ白になっていることが十分判る。
 あぁ困れ困れ。あんたが悪い訳じゃないけど、手抜きされたらオレが怒ってただろうけど、これは八つ当たりだから良いんだ。

「大佐なんか大っ嫌いだー!!!!」

 トドメ。
 オレばっかりじゃ悔しいから。あんたもたまには困ればいい。
バカップルの痴話喧嘩に巻き込まれたハボさん。