そのとき。
信憑性があると思って、無理なスケジュール組んででも訪れた街の「賢者の石」の情報がやっぱり、というか、また外れで。そこまで期待してたわけじゃなくても、やっぱり少しはがっくりくるもんじゃんか。だから、さっさとその街を離れようとしたのに、一つ向こうの駅で爆弾テロがあったとかで、乗る予定だった列車が6時間も遅れて。
それを待ってやっと列車に乗れて、疲れてたから寝ようと思ったんだよ。そしたら今度は後ろの座席に居たおっさんのイビキがうるさくて寝れやしないし。
まぁ、そんな不運ばっか重なって、確かにオレの機嫌は悪かった。
で、やっとイーストシティに辿り着いたと思ったら、今度は大佐が女の人と食事してるのを見ちゃう訳だ。
え? そりゃもう、大佐だからな。嫌味な位爽やかな笑顔で相手してたよ。そんなの見たの初めてじゃないし? 普段ならそのまま列車に乗って何処か行くくらいで済ませてやるんだけどな。
……何だよ、その程度で許してもらえるんなら充分だろ。
で、まぁ、そのときは不機嫌だったからさ。その程度じゃ許してやる気にはなれなかったんだよ。
や、分かってるって、八つ当たりに近いってことは。でもさ、きっかけを作ったのはあっちだろ。
それで、見られてたことに気付いた大佐が、あの女の人はどうしたのやら、追いかけてきたんだ。しどろもどろになりながら言い訳しようとするもんだから、ムカついて。笑顔で言ってやったんだ。
何か軍関係のことで用があるなら聞いてやる。それ以外で話しかけるな。
で、もう一言。
別れ話なら聞いてやる。
はあぁぁ。
この状況の当事者である一人から事情を聞いて、ハボックは深く溜息を吐いた。
ここ最近、笑顔で司令部を訪れるこの錬金術師が上司であるロイを軽く無視していて。その所為で仕事の能率は下がりっぱなしで、このままじゃまずい、ということでエドワードを食堂に連れ出して話を聞いていた訳なのだが。
「…………つまりは、ただの痴話喧嘩か」
「何だよ!! どう考えたってあっちが悪いだろ!!!」
ハボックの言葉にむっとして言い返してくる。その姿は非常に可愛い。エドワードを弟のように思っているハボックとしては、肯定してやりたいのは山々だ。
しかし、この残業地獄からそろそろ解放されたい、と思ってしまうのも仕方ないと思うのだ。
「あー……でも、そろそろ中尉に何か言われたりしないのか?」
取り敢えず、エドワードが一番素直に言うことを聞きそうな、ホークアイの名を出してみる。
ホークアイもエドワードには甘いことは知っているが、いつまでもこの状況を放置はしないだろう。
「ん、中尉には始める前に無視する宣言したら、1週間だけにしてね、って言われた」
さすが、というか何と言うか。この二人のタッグに敵う人間なんて居ないんじゃないのか、とこっそりハボックは心の中だけで呟く。口に出すほど、この職場での生活も短くは無い。
持っていた煙草を灰皿に押し付け、この状況が始まってからの日数を指折り数えてみる。
明日で、丁度7日目。
「……で、どうすんだ、明日」
「言い訳くらい、聞いてやろうと思ってる」
それだけか。
呆れから言いかけようとした言葉をエドワードに遮られる。
「だってさ!!悪いのはあいつだろ!!! 罰を受けるのは当たり前だ!!!」
「いや、そうだろうけど」
「あっちこっち、とっかえひっかえ、愛想尽かさない分良いだろ!!」
「あぁ、まぁ、確かに凄いけど」
「あいつは!! ―――オレだけ見てれば良いんだよ!!!!」
そう言い切って。言ってから、自分の発言の恥ずかしさに気付いて真っ赤になって。
それだけで、仕方ないな、思ってしまう自分も大概甘いな、と溜息を吐く。
「仕方ねぇから、あと一日だけ残業頑張ってやるよ」
本当に、あと一日だけな、と心の中だけで祈るように付け足すことは忘れなかった。
信憑性があると思って、無理なスケジュール組んででも訪れた街の「賢者の石」の情報がやっぱり、というか、また外れで。そこまで期待してたわけじゃなくても、やっぱり少しはがっくりくるもんじゃんか。だから、さっさとその街を離れようとしたのに、一つ向こうの駅で爆弾テロがあったとかで、乗る予定だった列車が6時間も遅れて。
それを待ってやっと列車に乗れて、疲れてたから寝ようと思ったんだよ。そしたら今度は後ろの座席に居たおっさんのイビキがうるさくて寝れやしないし。
まぁ、そんな不運ばっか重なって、確かにオレの機嫌は悪かった。
で、やっとイーストシティに辿り着いたと思ったら、今度は大佐が女の人と食事してるのを見ちゃう訳だ。
え? そりゃもう、大佐だからな。嫌味な位爽やかな笑顔で相手してたよ。そんなの見たの初めてじゃないし? 普段ならそのまま列車に乗って何処か行くくらいで済ませてやるんだけどな。
……何だよ、その程度で許してもらえるんなら充分だろ。
で、まぁ、そのときは不機嫌だったからさ。その程度じゃ許してやる気にはなれなかったんだよ。
や、分かってるって、八つ当たりに近いってことは。でもさ、きっかけを作ったのはあっちだろ。
それで、見られてたことに気付いた大佐が、あの女の人はどうしたのやら、追いかけてきたんだ。しどろもどろになりながら言い訳しようとするもんだから、ムカついて。笑顔で言ってやったんだ。
何か軍関係のことで用があるなら聞いてやる。それ以外で話しかけるな。
で、もう一言。
別れ話なら聞いてやる。
はあぁぁ。
この状況の当事者である一人から事情を聞いて、ハボックは深く溜息を吐いた。
ここ最近、笑顔で司令部を訪れるこの錬金術師が上司であるロイを軽く無視していて。その所為で仕事の能率は下がりっぱなしで、このままじゃまずい、ということでエドワードを食堂に連れ出して話を聞いていた訳なのだが。
「…………つまりは、ただの痴話喧嘩か」
「何だよ!! どう考えたってあっちが悪いだろ!!!」
ハボックの言葉にむっとして言い返してくる。その姿は非常に可愛い。エドワードを弟のように思っているハボックとしては、肯定してやりたいのは山々だ。
しかし、この残業地獄からそろそろ解放されたい、と思ってしまうのも仕方ないと思うのだ。
「あー……でも、そろそろ中尉に何か言われたりしないのか?」
取り敢えず、エドワードが一番素直に言うことを聞きそうな、ホークアイの名を出してみる。
ホークアイもエドワードには甘いことは知っているが、いつまでもこの状況を放置はしないだろう。
「ん、中尉には始める前に無視する宣言したら、1週間だけにしてね、って言われた」
さすが、というか何と言うか。この二人のタッグに敵う人間なんて居ないんじゃないのか、とこっそりハボックは心の中だけで呟く。口に出すほど、この職場での生活も短くは無い。
持っていた煙草を灰皿に押し付け、この状況が始まってからの日数を指折り数えてみる。
明日で、丁度7日目。
「……で、どうすんだ、明日」
「言い訳くらい、聞いてやろうと思ってる」
それだけか。
呆れから言いかけようとした言葉をエドワードに遮られる。
「だってさ!!悪いのはあいつだろ!!! 罰を受けるのは当たり前だ!!!」
「いや、そうだろうけど」
「あっちこっち、とっかえひっかえ、愛想尽かさない分良いだろ!!」
「あぁ、まぁ、確かに凄いけど」
「あいつは!! ―――オレだけ見てれば良いんだよ!!!!」
そう言い切って。言ってから、自分の発言の恥ずかしさに気付いて真っ赤になって。
それだけで、仕方ないな、思ってしまう自分も大概甘いな、と溜息を吐く。
「仕方ねぇから、あと一日だけ残業頑張ってやるよ」
本当に、あと一日だけな、と心の中だけで祈るように付け足すことは忘れなかった。
02. オレ以外見るな
お題じゃなく考えてた喧嘩話が上手く纏まらないので、コメディ調にしてこっちでUPしてみました。
えーと……ロイエド?(聞くな) むしろハボ+エド……ゲフンゲフン。
好き過ぎるから嫉妬もするんですよ、とかそんなこんな。
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えーと……ロイエド?(聞くな) むしろハボ+エド……ゲフンゲフン。
好き過ぎるから嫉妬もするんですよ、とかそんなこんな。
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