騒音が、何処か遠くで聞こえる。
そんなことをぼんやり意識の隅に感じながら。
私をただ、ひたすらに睨んでくる、その悔しそうな金の瞳の端に僅かに滲んだ涙が、何だかとても綺麗で。
本来なら感じるべき後ろめたさとか、罪悪感といったものは、全て消え失せてしまった。
自分でも、どうかしていると思う。本人たちに知られないように手助けしたり、かと思えば突き放してみたり。
矛盾していることは分かっている。なのにこの口をつくのは、事務的に彼を責めるようなものばかりだ。
「全く……大したものだな。何処に行っても騒動ばかり起こしてくれる」
彼とて甘やかされることを望んでいる訳ではないだろう。子供としてでは手に入らないものを望んで彼はここにいるのだから。
だからこそ、余計にこの少年が戸惑って、振り回されていることも知っている。
「その御蔭で得られる情報もあるが、それ以上に事後処理が面倒でね」
心配した、とそう言えば、彼は悪態を吐きつつも、最後には謝罪を述べるだろう。そしてそうするのが最良なのだと、私自身分かっている。
だが、そんなことを望んでいる訳じゃない。
「もう少し考えてから行動したまえ、鋼の」
苦しめたい訳じゃない。悲しませたい訳じゃない。でも。
私は、君の保護者になりたい訳じゃないんだよ。
「…・以上だ。私はまだ仕事がある。出て行きたまえ」
ただ、君を見守り、叱咤する存在であれれば、と思ったこともある。君がそれを無意識に望んでいることを分かっていても、それでも。
私は、君が好きなんだ。
何かを言いかけて、それでもその唇はぎゅ、と引き結ばれたままで。
そのまま背を向けて、部屋から駆け出したその後姿に、そっと愛の言葉とも謝罪ともとれる言葉を呟いた。
そんなことをぼんやり意識の隅に感じながら。
私をただ、ひたすらに睨んでくる、その悔しそうな金の瞳の端に僅かに滲んだ涙が、何だかとても綺麗で。
本来なら感じるべき後ろめたさとか、罪悪感といったものは、全て消え失せてしまった。
自分でも、どうかしていると思う。本人たちに知られないように手助けしたり、かと思えば突き放してみたり。
矛盾していることは分かっている。なのにこの口をつくのは、事務的に彼を責めるようなものばかりだ。
「全く……大したものだな。何処に行っても騒動ばかり起こしてくれる」
彼とて甘やかされることを望んでいる訳ではないだろう。子供としてでは手に入らないものを望んで彼はここにいるのだから。
だからこそ、余計にこの少年が戸惑って、振り回されていることも知っている。
「その御蔭で得られる情報もあるが、それ以上に事後処理が面倒でね」
心配した、とそう言えば、彼は悪態を吐きつつも、最後には謝罪を述べるだろう。そしてそうするのが最良なのだと、私自身分かっている。
だが、そんなことを望んでいる訳じゃない。
「もう少し考えてから行動したまえ、鋼の」
苦しめたい訳じゃない。悲しませたい訳じゃない。でも。
私は、君の保護者になりたい訳じゃないんだよ。
「…・以上だ。私はまだ仕事がある。出て行きたまえ」
ただ、君を見守り、叱咤する存在であれれば、と思ったこともある。君がそれを無意識に望んでいることを分かっていても、それでも。
私は、君が好きなんだ。
何かを言いかけて、それでもその唇はぎゅ、と引き結ばれたままで。
そのまま背を向けて、部屋から駆け出したその後姿に、そっと愛の言葉とも謝罪ともとれる言葉を呟いた。
05. 好きなのに、どうして傷つけてしまうのか
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